栄光の101系電車。原宿デザインフェスタギャラリーにて。




14日の土曜日は東京は原宿・神宮前にある『デザインフェスタギャラリー』に行ってきました。

伊藤弘(カケラバンク)さんの写真展『キオクカイロ』等で訪れた事のあるこの場所。
この日は何らかのライブでお逢いした事のある『河野拓』さんの写真展へ。
(14日と15日の2日間開催。)

河野さんが生まれてから通学や移動手段としてずっとお世話になってきた、国鉄や
JRで使われてきた鉄道『101系電車』。

小さな規模のフロア内には国鉄時代の頃に南武線を走っていた時の写真、国鉄からJRに
変わって以後に運用されていた時の写真、今年の3月まで私鉄の『秩父鉄道』にて
運用されていた時の姿を映した写真、今昔様々な写真が展示されていて、その写真の
一枚一枚から歴史や時代の流れ・移り変わりを感じさせたり、ただの鉄道写真に留まらない
本当に深い何かが込められていたように思う。

国鉄101系電車のデビューは1958年とも言われていて、そこから山手線から総武線など
都心の主要の通勤路線に導入されたり、後からデビューする103系電車と共に通勤の足として
活躍した電車。

今でこそ殆どの電車の中に冷房が導入されているけれど、車内に扇風機が付いているのは
当時としては画期的だったり、両側ドアを導入したことに関しても、現代の通勤電車の
礎を気付いたとも言えるかも知れない。

通勤の足として活躍してきた101系電車も軽量化と速さと車内の快適性や冷房を求められる
波に押し寄せられるかのように、205系、E231系など新しい電車がデビューする毎に
国鉄やJRでの活躍の場はどんどん減っていき、秩父鉄道など地方に譲渡されたもの、
JRの南武支線(浜川崎~八丁畷間)で運用されていたもの、それらを含めて現存するものは
年を追う毎に減っていく傾向へ。


JR線からは2003年まで101系電車は活躍し、秩父鉄道にて1000系電車として運用されたものも
秩父鉄道オリジナルのカラーに塗装されたものから国鉄時代を彷彿とさせる黄色や朱色、
黄緑、青の単色に塗装されたものなどで秩父鉄道の利用者や鉄道ファンに親しまれ続けて。
(秩父鉄道に譲渡された後、埼玉県の補助金で冷房化が施された車両も。)
そして晩年は車両の老朽化と新たに東急線から譲渡された電車の導入により一台、また
一台と運用を終了していき、最後に残った一台も今年の3月23日の運用をもって終了。
(さよなら運転も行われたこの日は引退を惜しむ人達が各地から訪れたそうです。)

1958年から2014年まで、実に50年以上も運用されていたんだと実感。
101系電車…自分は南武支線で運転された頃に乗車した以外は馴染みはなかったけれど
この電車が残したものは本当に大きかったと改めて思う。

同時に今の電車が利便性の向上と共に無くしてしまったものとかも知ることが出来た。
…写真を観ている途中で若い女性も来場して、『こう言う電車の方が可愛らしくて良い』
『今の電車は窓が開けられない』『クーラーより扇風機の涼しさが好き』、そんな話が
飛び交った事が思わず言われてみれば確かにと頷いてしまう事も。

河野さんのお話も興味深さと共に101系電車への思い入れが熱い事が伺えたり、会場には
一時間程滞在したけれど、色んな写真を観れたり楽しめました。

ただの移動手段として電車がある訳ではなく、その電車を利用した人の数だけドラマがあり
様々な思い入れがあり、その一つ一つが根強い何かになっていく。

もう101系電車の走る姿は観れずとも、走っていた事は決して消える事は無い。
此れからも語り継がれていく事と思う。

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